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コストの《舟歌》 演奏とお話 [新・ギターおさらい練習帳]

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田部井先生の「演奏と話し」~コストの《舟唄》の動画がアップされました。
易しい曲で初等科で習う曲ですが、今、自分の演奏を基本に戻って練習してみる。
難度の高い曲で練習するより、易しい曲で見直しをするように進めている。
以前には「滝廉太郎の荒城の月」
「コストのニ短調の練習曲」
などを教材にした「演奏と話し」の動画を見ながらお家で進めてきました。
今回は「コストの舟歌」の動画の「演奏と話し」を教材として家で練習しています。
易しい曲で、説明を聴きながら練習すると、
「あぁそうか・・」とか「こうすればよいのか・・」と基礎的な事を見直しできる。
いつも逆戻りしていますが、其れでも少しづつ見直しできれば、それでヨシなんです。
 後半にヴィラロボス作品の3.ワルツ/ショーロも少し解説しています。

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Enrique

カルメンさんにこの曲は少々基本的すぎるような気もしますが,基本に立ち戻るのは大賛成です。こういう曲をきれいにキズなく聴かせられるのが,演奏の基本だと思います。ギター好きの方は難しい曲でないと曲でないと思いがちですが,一般の人からしたら,曲の難易度によらず,易しい楽曲でも音楽的できれいな音でミスなく演奏された方がずっと聴きやすいものです。

いずれにせよ,せっかく基本に立ち戻るわけですから,上級曲の基礎にもなる事項を押さえておかれるべきだと思います。先生がおっしゃる点は間違っているはずもありませんが,当方ならば以下の点に留意します。

・「舟歌(バルカローレ)」であること。⇒ それだけでも,ゴツゴツした演奏にはなりえません。当然他の多くの舟歌とも共通点があります。

・通常,舟歌は6/8で書かれます。6/8は2拍子系だが,コストは3/8で書いているので,少し小節ごとの3拍子系に振ったものと思われます。当然の事ながら,通常の舟歌は6/8という事実は押さえておく必要がある。そうすれば3/8の2小節単位というイメージも持ちやすいと思います。

・「問いかけ」と「回答」という形は,楽曲のモチーフとしてよくあるパターンです。従って,それぞれがフレーズになるのは鉄則です。この曲の場合は,舟歌なので,ゆらゆらと揺蕩うわけで,「問いかけ」と「回答」は,「揺れ」と「揺れ戻し」だとイメージできます。

・先生がおっしゃる「問いかけ部分」は4小節,「回答」部分は4小節。その辺の処理の仕方は,この曲に限らず,通常よく演奏される古典やロマン派音楽には共通事項ですので,ほかの曲で学んでいれば難しくないと思います。

あと,カルメンさんの様な経験者の方ならば,このような曲は技術的には何の問題もないはずですので,楽器を持つ前に,この曲を自分で指揮する積りで最後まで頭で演奏してみていただき(むろん歌っても良いと思います),しっかりイメージトレーニングしたうえで,そのイメージに合うよう音出しをすれば,聴きやすい演奏になるかと思います。曲が易しく短いですから,苦痛にならずに出来るかと思います。あちこち気を付けながらこわごわ弾くよりも,ほんの数分でできる事ですので一度だけでもやってみられれば,ずっと効果的だと思います。またその際には,音楽課題と技術課題とはきちんと分けて処置すべきだと思います(そうしないと,どっちつかずの演奏になる恐れがあります)。

短い曲ですが,音楽の基本事項はしっかり学べると思います。ちなみに,この曲はN. コスト(1805-1883)による,Op.51-1で,Op.51は14曲からなるOp. 51 Récréation du Guitariste (ギタリストの休憩)という曲集の最初の曲です。この曲は,特にきれいで易しいので,教本などに取り上げられる事が多く単独曲の様に思われがちですが,コストはこの曲集で,いろんな性格の曲を書いています。Barcallole(舟歌)は最初のこの曲と最終曲の14番です。他には,マーチ(第2番),ロンドレット(第3番),ワルツ(第5番),ロンド(第6番),メヌエット(第7番),狩の歌(第9番),メランコリー(第10番)などがあります。従って,この曲の性格を表すのに特に「舟歌」というイメージは重要だと思います。コストの曲は6弦ギターで弾けないものも時々あり,気軽に弾いてみる事もできませんが,「他にも沢山の曲がある」という意識は持っていただいても良いと思います。何もコストはギター曲の舟歌と練習曲ニ短調だけの作曲家ではなくて,ギター以外の作品も色々ある作曲家です。

ソルやジュリアーニの時代(モーツァルトやベートーヴェンに相当する古典派時代)に大いに発展したギターですが,ロマン派の時代(シューベルトやメンデルスゾーンの時代)には衰退します。ご承知の様にタレガがギター音楽を復興しますが,その頃はもう音楽史では近現代に差し掛かる時代ですし,タレガは一般音楽用語で言えば民族楽派ですので,ギターではロマン派のレパートリーが不足しています。従って,コストはロマン派のギター音楽を学ぶ上で貴重な存在です。

どうぞ当方の意見を勘違いしないようお願いいたします。「上手な人と競い合え」,とか言ってカルメンさんの演奏を貶している積りは全くありません。大変つまらぬ意見かとは思いますが,少しばかりは耳を傾けていただき,このような易しい曲を通して,音楽の基礎に基づいたしっかりとした音楽を作って頂きたいと願うばかりです。
by Enrique (2023-06-05 19:34) 

横浜かるめん

Enriqueさん。
大事なコメントを頂き感謝しております。
私の場合は音楽教育とかは、幼い時から特に受けていなかったので、
見よう見まねでギターを習ったのが本音です。今のギター教室で先生から音楽的なご指導とギターの技術的な指導を受けています。
基本的な事が疎かであるのも事実です。由えに苦戦を強いられているのが現状です。悪い癖が出て、其れが自分で気づかない事が問題で講師より指摘されますが、先生が教えた通りに出来るのだから、その素質は持っていると教えてくれます。兎も角、出来る限り少しでも良い音楽を奏でられるようにと思います。
大変参考になる内容のコメント有難うございます。
今後とも宜しく・・

by 横浜かるめん (2023-06-06 10:08) 

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